あの二人で漫才書いてみた　Episode 7

非日記

　はいどーもー！

　よろしくお願いしまーす！
　

＞東京でもいよいよ初霜が観測されたそうだよ

＞八王子とか奥多摩とかの方だけどな

　
＞今の発言は「立川より西は東京じゃない」という発言ととらえてよろしいですか？

＞他意はないよ！なんでわざわざ誤解を呼ぶような解釈をするんだよ！

＞まあ高尾山みたいな登山スポットがある時点で田舎っちゃ田舎だよね

＞新宿から京王線一本でいける自然スポットなんて素敵じゃないか

＞そういえばあの山には天狗伝説があるらしくてさ

＞へー

＞あと高尾山の最寄りの駅の正面にはでっかいラブホテルもあるんだって

＞ああ、そうなんだ

＞意味深だよね

＞何が？

＞登山を終えたカップルが盛り上がっちゃって「俺の股間の天狗が」とか何とかっていう

＞くだらない妄想をしてるんじゃないよ！それ以前に開始早々のボケが下ネタって！

＞とまあ、秋のレジャーを楽しむ暇もなくなんか冬に突入した感じだよね

＞確かにな。今年は春もなかったような気がするわ

＞4月の終わりのころには夏日なんてザラだったから

＞桜もあまり見られなかったね。全然咲かないかと思ったらあっという間に葉桜でさ

＞おかげで桜の木の下でおたのしみのカップルも全然撮れなかったよ

＞お前の春の風物詩はそれかよ！

＞でも6月くらいから河原でおたのしみの連中は結構いたよね

＞知らないよ！お前みたいに逐一チェックしてるわけじゃないんだから！

＞ちなみに7月・8月は平年並みだったよ

＞平均気温みたいに言うなよ！っていうか平均値が出せるくらいのデータがあるのかよ！

＞そんで夏が終わって秋の行楽シーズンかと思いきや北海道や東北では10月に降雪、と

＞紅葉を楽しみにしてた人が雪景色にがっかりしてたみたいだな

＞いつぞやの暖冬でスキー場が四苦八苦してたけど、この時期なんかそもそも来ないもんね

＞あと日中の寒暖差もすごいよね。うっかり上着を忘れたら一発で風邪ひくぜ

＞ボクの知り合いなんかはコートを羽織ってても風邪ひいたくらいで

＞へえ、そんなに流行ってるのか

＞コートと靴下と靴以外は何も身につけてなかったそうだけどね

＞それはただの変態だろ！

＞「ニット帽とマスクまでしてたのに風邪をひいたのが理解できない」だってさ

＞こっちはそいつの行動そのものが理解できないよ！したくもないけど！

＞今度はマフラーと毛糸のセーターを着てみるとは言ってたけどねえ

＞いいから何か穿けよ！そこからだろスタートは！

＞でも風邪ってなかなか治らなかったりするじゃない

＞その知人に関しては治らない方が世の中的にはありがたいのかもしれんが……

＞そこで民間療法としてはどんなものを知ってる？

＞まあ、あたたかくして寝るとか……特に下半身は冷やしちゃダメだろうな

＞確かに男性諸兄は股間を駆け上る精の滾りがあるけど女性はそうはいかないもんね

＞何だよ「股間を駆け上る精の滾り」って！遠回しすぎて逆に露骨だよ！

＞あとは？

＞後は焼きネギを布で包んで喉のあたりに巻くとか

＞ほう

＞内側から温めるにはホットミルクなんかもいいんじゃないか

＞へえ……。

＞糖分を取るのも大事かな。風邪を治すことで体力を消耗してるわけだし

＞……。

＞どうした？　なんかテンションが下がってるみたいだけど

＞いやあ漫才なんだから少しは面白いことを言ってほしかったなー、と

＞さっきのは普通の質問じゃなかったのかよ！

＞普通の質問を普通に返すの？ 漫才なのに？ それじゃニカウさんにコイサンマンの言葉で自己紹介するようなもんだよ

＞例えがよくわかんねえよ！

＞だからコーラの空き瓶を神の奇跡だと信じ込むような漫才をさせてくれってことだよ

＞もうニカウさんから離れろよ！……じゃあお前の家の民間療法は何なんだよ

＞「問題集を解く」「甲子園で優勝する」「素敵に走り去る」

＞……はい

＞はい、どうぞ

＞……ひとつひとつの説明をお願いします

＞まず「問題集を解く」。これは超簡単で東大の入試問題を解こうとするわけ

＞で、どこが民間療法なの？

＞勉強すると頭がカーッと熱くなるじゃない。その知恵熱で保温効果を得ると

＞「知恵熱」っていうのは勉強してて出る熱じゃないよ！

＞あとはその熱を元にして気合で治していくっていう

＞気合に頼るなよ！

＞で、二つめの「甲子園で優勝する」というのがちょっと難しい

＞……。

＞まず甲子園に出るじゃない。んでピッチャーを務めるわけ。すると眼球から炎が出るはずなんだよ

＞あれはマンガだろうが！しかもあれだって実際に燃えてるわけじゃないし！

＞あとは甲子園で優勝できるだけの気合があれば風邪なんてへっちゃらかなーっていう

＞また気合かよ！

＞最後に「素敵に走り去る」っていうのは読んで字の如し

＞どういうこと？

＞あきらめる

＞あきらめちゃうのかよ！もはや対策ですらないじゃねえかよ！

＞あと走っているうちに甲子園で優勝したくなるから眼球から炎が

＞だから出ねえよ！

＞で、優勝するための戦略を考えているうちに知恵熱も出るっていう

＞知恵熱っていうのは意味が全然違うんだってば！

＞あと気合とか

＞気合はもういいよ！さっきから何なんだよ！どれひとつとして実践できそうにないから！

＞……とまあこういう風に激しく漫才をすれば体も温まるってもんで

＞いいかげんにしろ！