2006-09-01から1ヶ月間の記事一覧

 「低音」の巻

バスドラムは、おそらく最も低い音を出す楽器である。これが生まれる以前、いわゆる古典音楽においてはそれこそティンパニやらバスやらという低音担当楽器が存在していたが、バスドラムはそれを一気に、そして圧倒的に突き放して低い音を出してしまった。低…

 「Turn Turn」の巻

晴れの笑いと褻の笑いということについて、テレビのお笑い番組をモティーフに短い演説を行なった。話す前に「それではお話させていただきます」と言ったのに無反応だったのはいいとして、あまり伝わっていなかったようなので悔し紛れにここに書くことにする。…

 「鼓動」の巻

横浜の地へおよそ10年くらいぶりに降り立つ。渋谷から一本で元町へ行けることに時代を感じる。当時は小学生だったために中華街で何か食った(しかも何を食ったかも覚えていない。その後のラー博ならなんとか)程度にしか記憶が無い。まずは坂を上って「港の…

 「リバイバル、あるいは忘却に対する経済的美徳」の巻

タワーレコードに立ち寄ったらDVDの視聴コーナーで奇妙な商品を発見した。「兼本さん宅」という鉛筆だけで描かれたコマ送り(みたいな質感の)作品である。別にグラフィックの技術がひどいものを売っている、ということには抵抗は無い。技術の(受動的な)乏…

 「Counter」の巻

ボクシングのテレビ中継を見ていたら「ダウンを取られると目が覚める」という言葉を聞いた。背水の陣というか、一度ぶん殴られて土がついたことによって人間は覚醒するということだろう。 '99年ごろから渋谷に通い始めた。当時はエピックトランスがブームで…

 「仕方ない」の巻

50歳を過ぎて肉体労働で生活の糧を得ている人というのは、言うまでもなく会社社会における下層の人間である。しかも正社員でなくアルバイトであるとなれば下層も下層、最下層である。そういう方々を相手に三年ほど工場に勤務しているわけだが、この継続は偏…

 「希少価値の逆転」の巻

NHK総合「サラリーマンNEO」は見られる週なら可能なかぎり見るようにしている。NHKがこれほど真っ当なコント番組を作ってしまうとは正直信じられなかった。そのうえ「はたらくおじさん」「明日を読む」といった番組のセルフパロディや他局、つまり民放局のパ…