2006-04-01から1ヶ月間の記事一覧

 「観念論、もしくは青空の下における『イデオロギー』細見」の巻

「ideology」という単語はしばしば(社会的、あるいは集団的な意味での)「思想」と和訳される。ここをして訳を等式と見なし、「思想」という単語の本質を探ってみたい。そもそも「ideology」とは名詞「idea」と接尾辞「logy」(あるいは『ology』)とによる…

 「オーヴァードライヴ」の巻

映画の話。妹がなぜか数年前の映画「黄泉がえり」を観たらしく、ひどく感動したそうだ。そもそも彼女は恋愛映画というジャンルが好きで我が家にいたころも邦洋問わずに観ていた。一方のわたしはといえば専ら娯楽を求めており、恋愛映画などはほとんど琴線に…

 「開門」の巻

Vindaloo(以下『ヴィンダルー』)という料理を知った。個人的にはかなり衝撃的だった。西インドはゴア地方に発するらしいカレーの一種で、とんでもなく辛いというのでわたしはまず食べられない。酢を用いている(本場ではココナッツビネガーらしい)ことか…

 『』バトン

1.PCもしくは本棚にある『音楽』 PCにあるのはサンプラー用のWAV素材と携帯HDDプレイヤー用のmp3。あわせて20GBくらい。本棚にあるのはレコードとCD。レコードはYMO周辺、高校生の頃に買ったトランスとかハードハウス、レゲエの7インチなど。一応、The Rol…

 「過不足」の巻

まず、反意語という語彙を分析してみたい。恥ずかしながらわたしはこの語彙はここが初見なのだが、要するに「意味が相反する」ということだろう。「対になっている」のではない。具体例を挙げれば、「北」の対は「南」だが、「北」の反意語は(深い意味では…

 「雑音」の巻

次回のゼミで機会があれば言おうと思っているネタをここに書いておこう。「足音入りの『第九』」に関して。昨今ではデジタル技術によるレコーディング、マスタリングが隆盛しており、ProToolsにはその機能の豊かさ、技術水準の高さから2000年だか2001年だか…

 「隙間産業」の巻

NHK教育「私のこだわり人物論」を観る。パーソナリティは美輪明宏、対象は寺山修司。70年代の混沌をそのまま体現してしまったかのような存在として寺山を描いていたように感じた。確かに彼はカオスである。まず肩書きが不明瞭だ。小説家であり、戯曲家、詩人…

 「残滓」の巻

絲山秋子「沖で待つ」を読む。さんざん叩いて申し訳なかった。結構面白い。序盤で食らわせておいて、追憶でラストまで引っ張って、随所に衝撃を織り交ぜていくという構成はなかなかに秀逸。全体が薄味な印象を受けるけれども、じゃんじゃん盛り上がったら興…

 「一端」の巻

七尾旅人のディスクを繰り返し聴いている。ヴォーカルをとる人間の声色は何物にも似ていないということを遅ればせながら再確認した。シンセサイザーの技術は進化し続けるだろうが、人間の声だけは楽器屋に並ぶことはないだろう。Johnny Rottenや横山剣がなぜ…

 「晴耕雨読」の巻

昨日、やっと図書館で阿部和重『グランド・フィナーレ』の単行本を借りることが出来た。で、おまけの三作は正直どうでもよかった。「新宿ヨドバシカメラ」「20世紀」はともに阿部和重のお家芸である「啓示」モノで、特に目立った印象はない。「馬小屋の乙女…

 「歴史と文化と」の巻

たまにはネットでしかお付き合いのない方を対象の中心にした話題でも。以前にL13さんのサイトで「日本語で韻を踏むのは不自然」という暴言を吐いた。が、これは残念なことに事実である。対して、英米詩や漢詩には押韻が用いられるのが一般的だ。この相違…

 「ブービートラップ」の巻

映画「SAW2」を観る。前作が良かったのでこっちは正直期待していなかった、つまりハリウッドお得意の「二匹目のドジョウ作戦」だと踏んでいたのだが土下座したくなるほど面白かった。物語が二転三転して観ているものが裏切られるのも爽快だけど、それ以上に…