モテないし、ちょっと参詣するわ 第一話

それは2013年10月12日のこと。

わたしの頭に「そうだ、福岡行こう。」というフレーズが出てきました。

突然も突然、まったくの突然でした。だいたい、この時季に何をしに行くのでしょう。

それは博多でおでんとラーメンを食いまくるとか福岡在住の知人に会うとかもなく

太宰府に参詣するというだけの意思に至ったのです。

その日は世間様の連休初日。社畜の身分に鬱積したフラストレーションの邂逅、

とでも書けば恰好もつくのでしょうが「魔が差した」としか言いようのない感覚でした。

休暇をとって、帰宅後に深夜バス『はかた号』の予約を行いました。

14日夜に新宿を出発し、15日の昼に天神バスターミナルに到着。

同日夜に同じく天神BTを出て16日朝に新宿へ帰ってくるというスケジュールを計画。

「どーせお参りするだけだし、これで時間ギリでしょ」

などと嘯いていました。この浅はかさがこの旅において何度もわたしを苦しめた、

「とある要素」をすでに抱いていたことに気づくのは、もう少し後の話。

くしくも出発する14日は新宿において、はてなハイクにおけるカラオケ部の

オフ会に参加する予定もありました。自分の強行軍ぶりに陶酔しつつ

ウヰスキイに泥酔しつつ、週末は過ぎていったのです。

(つづく)