モテないし、ちょっと参詣するわ 第二話 カラオケオフ 前編

10月14日、朝。

「オフ会」に対する恐怖のために未明まで眠れなかったせいで

頭がぼんやりしたまま荷物を用意しました。

下着一式とバスの切符、iPod、二股の電源コード(ケータイとiPod充電用)、財布、

三島由紀夫仮面の告白』の文庫本と折りたたみ傘を携えて新宿へ向かいます。

ご存じのとおり、台風26号がそろそろ九州に上陸しようかというころだったので

とりあえず傘だけは持っていこう、などと思っていたのです。

服装は長袖Tシャツに綿の襟付きを来たのですが、窓を開けた瞬間の秋風に

「こりゃいかん」と襟付きを捨てて厚手のチョッキ(?)的なブツを羽織りました。

今回の筆者は何度か失敗をしますが最大の失敗の一つはこの「服選び」でした。

襟付きとはもう10年の付き合いになりますけれども、

旅から除外された彼の念の為せる業でしょうか……。

ともあれ、ロンTに厚手チョッキで新宿へGO!

 

……で、みごとに駅で迷うわけです。

だって京王線ユーザにとって東口なんてまず使わないもんね!

一旦改札を出て西口→東南口→東口と迂回したからね!

10分前に来るつもりだったのに全力で迷子だったからね!

よく考えたらどんな恰好の人たちと待ち合わせているかを把握してなかったからね!

なんとか他のユーザ様に発見していただいて事なきを得ました。

あのときの筆者はマジな話、ちょっと涙目になっていたのはココだけの話。

そして、意外と話しかけてくるユーザ各位。

内弁慶とコミュ障をこじらせた筆者はとにかく追従しました。怖い!現実って怖い!

これで、もしカラオケがなかったら会話はぶつぶつ途切れて気まずくなって

こっそりケータイのアラームを5分後に鳴るよう仕掛けて鳴ったあたりで

着信のフリして「じゃあ別件がありますので……」と逃げ帰っていただろうことは

想像に難くありません。いやホント、いい人たちでよかった。

ちなみに歩き回って汗だくになったのでロンTはもう脱いでます。

 

第三話 カラオケオフ後編へ続く