「素人意見」の巻

 beatmaniaについて今一度、今回は若干の憤りをこめて。ⅡDX 13th styleの公式サイトへ行ってみたが「嘆きの樹」という曲にまず惹かれた。ライナーには無調音楽とあり、これはゲームとしても難度の高いものが予想された。が、実際に聞いてみると序盤のピアノこそそれっぽいがあとは普通のハードハウスであり大いに落胆した。beatmaniaプレイヤー諸兄たちはこれが無調音楽だと捉えてしまう可能性は充分にあり得る。なぜなら、前回にも述べたようにプレイヤーのほとんどは音楽的側面に注視しないからだ。
 このような誤謬は初めてではない。いろいろに挙げられるが最も酷かったのはⅡDX 6th styleの「Summer Vacation」である。曲自体はアコースティックギターRoland TB-303が絡むという異色のダンストラックだ。けれども、ジャンルが「TRIP HOP」となっていた。素人の見解ではあるが、あの曲は断じてトリップホップに分類されるべき楽曲ではない。このジャンルはヒップホップが90年代初頭のアンビエントと結びついて興ったものである。Massive AttackDJ SHADOW、日本ではDJ KRUSH(とインドープサイキックス)やTHA BLUE HERBなどが代表として挙げられる。もしプレイヤー諸兄が楽曲に興味を示した際に(そんなことは九分九厘あり得ないが)完全に誤った見識でトリップホップを考える可能性も否定できない。これまでbeatmaniaトリップホップが扱われたとしたらそれは「tokai」に他ならない。
 あまりに杜撰というか無念である。21世紀になって横田商会に外注するあたりもどうかしていると思うが開発者もプレイヤーも音楽に関してはどうでもいいのだろう。サントラCDを一般発売しなかったのは賢い選択だと思う。12th Styleに「PLASMA」という曲があり、これはProphet5と前述のTB-303を用いているらしいがこの稀少価値がどれだけのものか彼らには把握できていないに違いない。名曲「Deep Clear Eyes」になぜサックスの音が使われているのか、そしてその理由にどれだけの含蓄があるのか、力説しても通じないだろう。っつーか「era」コミュのあの一文をなんとかしてくれ。