詩

「もしも出会ってなかったらこんな苦しい思いなどしてはいなかっただろうに」

寒空にひとり呟く

別に初めはそんなに気にかけていなかったんだよ

だけど刻一刻と迫る時間がキミの存在を大きくした

約束の時まで残り少ないと 僕はわかっていたのに

ただ日々の糧をこなすことが君を忘れさせたのかもしれない

あの日も僕は仕事からの帰り道、立ち寄ったコンビニで

ふとキミのことを思い出した でもそのときには遅すぎた

ケータイに映るデジタル時計がすでに過ぎ去ったのだと教えてくれた

思い出す キミと出会ったあの日 今よりほんの少し暖かくて

ちょっとだけ僕は緊張しながら渋谷の街を歩いたんだ

忘れない キミに出会えたあの日 今より懐が寂しくて

何気ないふりを装いながら でもあの逢瀬は偶然の奇蹟

僕はその奇蹟を踏みにじってしまった その事実も偶然だと言うのなら

僕の心はめいっぱいの偶然への感謝と

ほんの少しの独りよがりな憎しみとで

染め上げられてしまうのだろうか

「ごめんね」 誰にともなく謝る 自分のため? それとも……。

財布からキミを取り出してくしゃっと丸めてゴミ箱に放り込んだ
 
訳:初めてゴーゴーカレーに行ったら無料トッピング券もらったんだけど有効期限が切れた