「即物的快楽礼賛」の巻

 お酒が好きだ。大好きだ。あの香りが好きだ。その喉ごしが好きだ。あの脳が麻痺した感じが好きだ。無いと生きていけないというほどではないけれども好きだ。酔うと口の端が吊り上がるので仏頂面にならないから好きだ。何より、合法ドラッグであることが好きだ。おそらく日本では単にマリファナが解禁されていないから飲酒運転やヘビースモーカーが増えるんじゃないかと思う。
 大麻という植物は実に有能である。適応性が非常に高く、農薬を用いる必要はまずない。常緑性があるのでどんどん栽培できる。加えて、紙はもちろんのこと、土に還るプロキシ・プラスティックの原料ともなる。以上の面から大麻とは現在の環境問題における上等な選択肢のひとつなのだ。ドラッグ解禁といっても混ぜ物は良くない。LSDならまだ許せるが、化学薬品が人体に及ぼす悪影響は計り知れない。一方のマリファナは実にオーガニックな存在だ。この点においてもわたしは大麻の必要性を強く感じる。
 煙草の副流煙嫌煙者の肺がんを引き起こしたり、歩き煙草が幼児の目を焼いたりといった危険性はマリファナにはない。直接鼻から吸引するタイプのものであれば周囲にはまず害を及ぼさないだろう。ペーパーでも同様だ。結局アルコールだって煙草だって使いすぎれば身体に害を及ぼすのは同じ(むしろ煙草は使用そのものが原因となる)だし、先の述べたドラッグ以外の可能性も現代の課題をクリアできる一計なのだから、そろそろ大麻を日本でも解禁すればいいのではないかと考える次第である。違法だから濫用したくなるという人間心理の存在も視野に入れておかねばならない。合法だったらもしかすると魅力が薄れるかもしれないし。