2005-09-10から1日間の記事一覧

 「即物的快楽礼賛」の巻

お酒が好きだ。大好きだ。あの香りが好きだ。その喉ごしが好きだ。あの脳が麻痺した感じが好きだ。無いと生きていけないというほどではないけれども好きだ。酔うと口の端が吊り上がるので仏頂面にならないから好きだ。何より、合法ドラッグであることが好き…

 「形無き舶来品」の巻

漱石が「I love you.」という一文の和訳を学生に問われて「日本語にそんな言葉はない。『月が綺麗ですね』とでも訳しておけ」と返したという逸話があるが、確かに日本人にとって愛とは存在し得ない感情のひとつである。そもそも感情かどうかすら定かではない…

 「追憶、穏やかに」の巻

村上龍「ラブ&ポップ」読了。書かれてから10年が経つわけだが、意外とこの時代における記憶が鮮明であることにまず驚いた。当時のわたしは小学生であり、東京とはいえ郊外に住んでいたので渋谷は勿論のこと援助交際とも縁遠い日々にあった(幸か不幸か、渋…

 「我が名は pt.2」の巻

「新井銘菓」という名はわたし自身と無関係というわけではなく、本名のアナグラムである。以前に下の名前のことを書いたが、それは実に一般的でどこにでも転がっているような類のものなのだ。翻って苗字だが、これは非常に珍しい種類で、法事くらいでしか、…