『世にも奇妙な物語』 2012 秋の特別篇・雑感

フジテレビの番組改変期といえば『世にも奇妙な物語』である。

筆者はネタバレとかもガンガン書くので、一応内容は伏せておく方向で。


今回のテーマは「過去・現在・未来」。それでは各エピソードの雑感をば。
 

第一話『心霊アプリ』

 大島優子は役作りが今ひとつというか中途半端だなー。たとえ知り合いでも、予備校の生徒が模試を申し込んだかどうか覚えてるなんて「出来る」人じゃん。「仕事中にスマホいじるようなテキトーな派遣社員」との落差がありすぎ。あと、思い詰めてるなら天井で幻覚を見て笑うってのもなんか違うんじゃないか。っていうか大島さんよりも脚本のほうが予想の範疇すぎて面白くなかったわけだけど。
 

第二話『来世不動産』

 バカリズムの台詞運びや仕草を見ていたら違和感を覚えた。なんか自然すぎた。自然というか、普段のバカリズムのネタを見ているような気分になっていた。常にどこか他人事な感じ、もしくは挿入される露骨な下ネタがいかにも……といった塩梅。んでスタッフロール見たら原作から本人のものだった。これって要するにフジテレビの金で膨らませたバカリズムのネタを『世にも』でやってみた、的な? 升野英知の才能とフジテレビの姿勢の軽さなど、いろいろなものが見えた(笑) 
 

第三話『蛇口』

 で、あの蛇口ってつまり何だったわけ? 確かに視聴者に「考える」幅を持たせるのはいいことだけど、あまりにも幅が広い。というより投げっぱなしな感じ。わかったのは赤が出ると誰かが死んで、透明だったら生き延びる。それだけ。別にインターフェイスが蛇口である必要はないし。たとえば初めて蛇口をひねったときや、高校生のとき、娘の事故のときにも実は蛇口がもう一つあって、結局彼が選択していたっていうのなら話はわかるんだけど……。脚本がずさん。以上。
 

第四話『相席の恋人』

 二回目に喫茶店で「彼」と会ったあたりから、現在の彼とは根本的に違うんじゃねーかな、みたいな読みはできた。その決定打が彼女のつくったオムライスなんだけど、そのあたりがわかりやすくて良かった。ああいう泣かせる感じの話に技巧は要らない。「ん?」と思わせて「へぇー」でいい。逆に懲りすぎているとせっかくの泣きが薄れる。しかし宇津井健の演技はいいなあ。最初に彼女に逢ったときの目の輝かせ方が少年みたいだったもん。ところで「相席の恋人」ってのは『愛惜の恋人』とかかってるのかね?
 

第五話『ヘイトウイルス』

 近未来に見せかけた現代劇、もしくは疑似SFは星護渡辺浩弐お家芸だったような気がする。昨今では『月に囚われた男』なんて映画もあった。ちなみにその映画に出てくる宇宙基地の廊下と、このエピソードの研究所の廊下がそっくりなんだけどこれはネタ? 内容のほうはオチ、っていうかラストシーンが弱い。風呂敷を広げたわりにはなんかまとまってないなあ、みたいな。
 
 
以上です。