Flim

 成人の日ということで20歳の記憶を書こうと思ったけど20歳を迎えた瞬間は工場で検品してたという事実が脳裏に蘇ってウザくなったのでTSUTAYAで映画を三本借りて一気に観た。金銭で評価してみる。


大日本人』 監督・主演:松本人志
 ビデオ作品『visualbum』とか「ごっつ」の延長線上っていうか映画用に尺を延ばした水増し作品って感じ。たぶん本人としても映画よりコントの視座で作ってたんじゃないかみたいな邪推さえ出てくる。「ごっつ」を体験しなかった世代への配慮なのか? リアルタイム世代には要らない親切です。もう映画は撮らなくていいんでテレビ向けのネタに専念してくださいな。50円。
 

日本以外全部沈没』 監督:河崎実 主演:小橋賢児
 筒井康隆原作、ネタ元はご存じ小松左京の『日本沈没』。ちなみに書くように仕向けたのは星新一で要するにSFクラブの賜である。『いかレスラー』は電撃ネットワークの南部虎弾が出てた記憶しかないけど、河崎氏の実力は『世にも奇妙な物語』で既に周知のとおり。で、この映画なんだけど小ネタを絡めながらもドラマとして成り立っているのは流石だと思う。オチは弱いけどシーンのところどころで考えさせられるというエンタメの王道的作風ともいえるか。個人的には寺田農に「見ろ、人がゴミのようだ!」と言わせてほしかった。300円。
 

『太陽』 監督:アレクサンドル・ソクーロフ 主演:イッセー尾形
 昭和天皇人間宣言前後(というか直前)を描いた作品。なかなか地上波で放映されないので業を煮やしていたところ。つーか本編開始15分くらいでもう涙が出てきた。幼児の時分に、美智子妃に面会して泣いてる老婆をテレビで見て不思議に思っていたものだが、今ではなんとなくわかるような気がする。別に街宣車とか持ってないけど。テレビサイズの映画に飽き飽きしていたのでこういう「映画」然とした映画を観ると世の中捨てたもんじゃないと思う。皇后を感じた桃井かおりの存在感もすげえし。そういえばイッセー尾形もそうだけど、マッカーサー役の人も似てたなー。そういう点も含めて良作。1200円。



7泊8日レンタルで1150円だったので400円の精神的なお得だった。ほぼ満足。