2005-01-01から1年間の記事一覧

 「マスターキー」の巻

CDのヒットチャートも幼児期の反響言語も日本武道館で数多く行われるライヴもカヴァーアルバムもネットを媒介とした集団自殺もブラック・ダリアもデジカメの売れ行きもナチス軍の成功もオイディプス・コンプレックスも、すべてこれで片付く。 「ミラーニュー…

 「文法」の巻

本日、古語文法の試験があった。担当教員は某国立大学(教育系メイン)の名誉教授であらせられる。洒落のセンスもあるのだが、如何せん学生が反応しないのは彼のレヴェルが高すぎるからだろうか。昨年度に別の講義で顔を合わせていたので、現在も稀に話をす…

 「ディレクターズカット版」の巻

養老孟司『身体の文学史』に関するレポートを書いたのだが原稿用紙15枚超過というなかなかの容量になった。それでも書いていた累計は24時間に満たない。しかも泣く泣くカットした部分がある。全体を通して浮いている感じがしたからだ。蓮實文体をさらに長く…

 「厭世観と厭世」の巻

某講義の講師は我々の先輩にあたる。つまりこの大学を卒業し、今度はこの大学で飯を食ってるわけである。彼は自身の大学生活を振り返って語った。夏休みに新潮文庫を大量に読み漁ったこと。真の大学生とは講義時間外に勉学に励むこと。大学だけではなく、ど…

 「論文進化論」の巻

レポートを認めていてつくづく厄介だと感じるのが今回のテーマにある「論文進化」である。主な課程はこうだ。 ☆一応書き上げる ↓ 誤字脱字のチェック ↓ 段落組み換え(帰納法になっているか否か) ↓ 別のアイディアが浮かぶ(削除・追加) ↓ とりあえず文章…

 「水面下」の巻

松尾スズキ『クワイエットルームにようこそ』読了。中編小説なので30分くらいか。やっぱり小説でも音楽でも映画でも、Entertainmentは須らく「設定」が肝要であることを再確認した。「目が覚めたら精神病院」とは、なかなか思いつく構図ではない。無機質な感…

 「芥川の無念 敗北」の巻

http://d.hatena.ne.jp/araimeika0910/20050605#1193764530 ↑まずはこちらを読んでから。 芥川も結局「身体性」を確保出来なかった。遺稿のひとつである「或阿呆の一生」においても度々身体は明示されたものの終盤にはPlatonic Suicideという概念を抽き出し…

 「言文一致」の巻

四迷は小説に「言文一致」をふんだんに取り入れたとして高く評価された。それは文章に土着感や臨場感を演出させたというそれだけのことだが、それは小説においては非常に重要なことだ。だったら何故先人はその方法を用いなかったのかというと単に思いつかな…

 「どうもどうもやあどうも」の巻

DVD「タカダワタル的」を購入。劇場公開された本編とライヴDVDの二枚組。5000円弱と割高だが、ファンなら多分損はしないと思う。多分ね。全体的な印象としては、喋りが面白い。表情は非常に興味深い。あとこれは当然なのだが、ギターが似合いすぎる。驚いた…

 「親殺し雑感」の巻

親を殺害したとして、15歳の少年が現在留置されている。現在の刑法に依れば第39条に抵触しない限り、彼は死刑、或いは懲役に処せられる。渡辺浩弐氏はかつて「親殺しの罪は問われるべきではない。なぜなら再犯の可能性が無いからだ」というコメントを、自身…

 「為事」の巻

今回のレポートも18歳以上推奨になりそうです。これだから文学ってやつは……。資料のために新しくコミュニティに参加しました。ここから何が得られるかは知れませんが、今回のレポートにおける「自身の意見」のセグメントを構築するために必要なものなので便…

 「琥珀色の恋人」の巻

というタイトルで真っ先にスジャータを思い出したあなたは確実に35歳を超えています。いわゆるハードルというやつです。「褐色の恋人」とはなかなか気の利いた宣伝文句であるなあと感心します。さて、私の「琥珀色の恋人」ですが、これはほぼスーパーニッカ…

 「聖書降臨」の巻

遂に、遂に手に入れた。日本階級闘争史上において決して欠かすことの出来ないMaterialを。 三一書房刊「世界革命戦争への飛翔」である。しかも初版本。 マリリン・マンソンが「インターネットは地球を縮小させる」とコメントしていたが、その通り。この本は北…

 「理想のバンドとは」の巻

AKAI MPC1000を手にしてからバンド結成願望がふつふつと湧いてきた。この場を借りて夢想してみよう。 究極の理想がYMOであることはほぼ間違いない。でもドラムは別にサンプラーでも構わない。つまり私の担当であり、省スペース化である。とすれば電気グルー…

 「芥川の無念 暗闇」の巻

これは「芥川の無念 序章」の続きである。よって、まずはそちらをご参照されたい。 http://d.hatena.ne.jp/araimeika0910/20050525#1193764139 さて芥川といえば時代物である。が、それは普遍性を時代に仮託して描かれたものであり、例えば「地獄変」などは…

 「不思議の国のロード・オブ・ザ・リング」の巻

地上波放映で一作目を観た際に、これほど驚嘆した映画も無かった。それはこの映画が「遍く」「一般に」広まったという事実に首を傾げざるを得なかったからである。ある時期、私はファンタジーの世界にどっぷり浸かっており、多少の基礎知識を得ていた。ゆえ…

 「1984年」の巻

現代史に初めて触れたのは小学三年生の時分だったが、大いに落胆した。というより、1983年に嫉妬した。東京ディズニーランドもYMO散開(当時はこれは眼中に入らず)もみな1983年である。ファミリーコンピュータは1985年だ。クラスみんなして担任教諭に「1984…

 「芥川の無念 序章」の巻

初めて芥川に触れてから10年になるが、最近彼を「闘士」であり「敗者」として観るという視座を手に入れた。それまで、彼は私の英雄であり敬愛すべき人物だったのだが、ここへきて「彼も人なり」というか、戦って負けた男の哀しさという雰囲気を彼から感じる…

 「我が家の老婆」の巻

今回はややほのぼのする話。 よくペットは飼い主に似るというが、私が幼少期に引き取った猫もそれに該当する。ヒトの年齢に換算すると80歳を超えているのだがまだまだ元気にのしのし歩いている。猫又は目前だ。バイトを始めてからというもの、餌や砂といった…

 「マザー2」の巻

高校時代より狂ったようにレコードを買い集めるようになってからというもの、とんとビデオゲームに興味がなくなった。我が家にnintendoDSはおろかPS2すら無いのもそのせいである。 とはいえそもそもレコード集めに走ったのもbeatmaniaというビデオゲームが原…

 「大学を志す皆様へ」の巻

高校三年生ともなると今時分は大学受験に東奔西走していることと思われる。が、留意していただきたいことがひとつある。 「裕福でないなら大学には行かないほうがいい」 ということだ。大学は低所得者の行くところではない。明確な理由をここで述べよう。 ま…